2009年7月20日に標記JISの改正が公示されました。
■改正の趣旨
近年、内装化粧材、型枠、軒天井材、調湿内装化粧材などへVSボードの用途が広がってきています。各用途における使用者の該当製品の選択を容易にすると共に、要求される品質の試験項目を整理するために、製品の種類を密度区分、普通板及び化粧板に分けると同時に、試験方法についても見直されました。
これに伴い、新たな試験項目を付け加えるとともに、引用規格の改正又は廃止による規格間の整合化、及び「JIS
Z 8301規格票の様式及び作成方法」の改正に伴い、規格様式の変更が行なわれました。
※この改正は(一財)建材試験センターに設置されたJIS改正原案作成委員会で行なわれました。
■主な改正内容
1.適用範囲
・OAフロアーが削除された。
・主な使用原料に無機粉体(フライアッシュ・炭酸カルシウム)が追加された。
・JIS A 9504人造鉱物繊維保温材に規定する無機繊維へ用語が修正された。
2.区分の変更
・化粧加工の有無による区分
種類 |
区分
記号 |
化粧加工方法 |
普通火山性ガラス質複層板 |
F |
普通板 |
化粧加工なし |
化粧火山性ガラス質複層板 |
K1 |
化粧加工板(樹脂処理系) |
熱硬化性樹脂含浸紙、熱可塑性樹脂シート、印刷、塗装、焼付け、型押し(凹凸など)など |
K2 |
化粧加工板(単板及び化粧紙処理系) |
単板オーバーレイ、アフターコート紙など |
・密度による区分
密度区分 |
主な用途 |
A |
A1 |
内装下地、軒天井材、天井下地材、化粧下地、パネル中しん、簡易間仕切りなど |
A2 |
調湿建材など |
B |
構造用内外装壁下地材、非構造用下地材、化粧下地材、内外装壁材、床下地材、屋根下地材など |
C |
打込型枠、化粧下地など |
3.試験方法
・養生条件下で恒量となりやすい材料特性を生かし、試験片の養生は温度20℃±5℃、
相対湿度(50±10)%で24時間以上に修正された。
・全ての製品種類において、難燃2級以上又は発熱性2級以上で合格となった。また、
附属書Aとして発熱性試験及び評価方法が追加された。
4.耐衝撃性試験
・旧規格の独自の砂袋衝撃試験方法は精度にかけるため、JISの鋼球落下試験に
変更された。
・耐衝撃性の性能は受渡当事者間の協議によるものとなった。
5.化粧火山性ガラス質複層板の性能
・ホルムアルデヒド放散量については0.3mg/L(F☆☆☆☆)以下となった。
・難燃性2級以上又は発熱性2級以上となった。
・表面性能として、耐酸性、耐アルカリ性及び耐変退色性が設定された。ただし、化粧
加工区分K2(単板及び化粧紙系)については耐候性を付与しないため、適用されない。
※
日本工業標準調査会JIS検索 で閲覧ができます。(「JIS規格番号からJISを検索」に
「A5440」と入力して一覧表示ボタンを押してください)
※規格票の購入については書店または
(一財)日本規格協会 へお問合せください。